磐井橋~奥州街道(4-204) [奥州街道日記]

TS393473.JPGTS393473 夕暮れの奥州街道
TS393474.JPGTS393474 磐井橋を渡りきった
TS393478.JPGTS393478 芭蕉も眺めただろう風景(北岸から)

夕暮れの中を磐井橋を渡る。
川の流れは意外と速いが、この写真には写っていないがよく見ると手前側に治水によって幾本かの流れの速い用水路が形成されており、高度地区へも水を供給している様子が認められる。

ふと二宮金次郎の存在が脳裏に浮かんできた。

実際にこの磐井川の治水工事を行ったのは別の日本人なのだろうが、「水を農業生活に活かす知恵」という風に見たときに、自然と二宮金次郎の薪を背負った姿が浮かぶのである。

偉人とはそういう人物のことをいうのであろう。

歴史が高々200年と浅いアメリカ合衆国ではその種の人物をパイオニアと呼ぶが、2000年を超えるわが国ではやはり「偉人の仕業」と呼ぶべきであろう。

磐井橋を渡り切るころには、既に西の山際に日が沈みかけていた。
川原はまだ残照で明るいのだが、たちまち暗くなることは目に見えていた。

私はこの広く整備された芝生の川原にテントを張りたいという衝動に駆られた。

芭蕉もこの川原で数日間を過ごしたいと感じて、南岸にある橋の袂の宿を取ったのに違いない。
私が惹かれるのも仕方がないことである。

しかし、ここで安易な生活に溺れている暇はない。
サラリーマンの街道歩きは、時間が限られているし、予算も限られている。

安逸を脱して、重い腰を上げねばならないのである。
そこが芭蕉とは大きく異なるのである。

暗くなっても本日のノルマである歩行距離20kmをきちんと越えて行かねばならないのだ。

それでもあと10分ほどはこの川原を眺めていることにしよう。
それからまた歩き始めよう。

犬を連れた人が私が座っている石段の傍を通り川原へ降りていった。

千切れるばかりに左右に振っている白い子犬の尻尾に、犬の生きている喜びが溢れていた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。