奥州街道記事再開です。 [奥州街道日記]

昨年9月末で38年間勤めた会社を年満退職しました。
約束どおりならこれかららくらくの年金生活でしたが、そうはいかないとのことで、65歳まで働く必要があることを知りました。(一定期間の法的処置として、個人が申請すれば特別支給の老齢厚生年金が支給されるとのこと、年金事務所の無料相談で教えてもらい、早速申請しましたが、実際支給までは数ヶ月かかるようでした。その間の生活は工夫することが必要になります。そのお陰様でタバコは辞めることができました。怪我の功名です。)

しかし「継続雇用社員とするかどうか」は会社が決めることといい、私は継続雇用されないグループに入ったようでして、それでも子会社の嘱託雇用というスタイルで何とか働き続ける環境は不十分ながら確保されました。

しかし、年満退職だということで今住んでいる前の会社の社宅は3ヶ月以内に退去せよとの仰せであり、街道歩きで慣れ親しんだテント生活を家族に強要することもできませんので、転居先住居を探す毎日となりました。

首都圏内に還暦過ぎて住むことを考える場合、賃貸か分譲か、分譲でも中古か新築か、迷うことばかりでした。

20年前に聞いたある東京のマンションデベロッパー管理職であった知人の言葉を思い出し、必死に住まい探しに奔走しました。その間、この奥州街道日記は休止することとなりました。

その言葉とは、
「マンションは車の購入とは訳が違う。一生に一度しかない大きな買い物だから、購入決定までに少なくとも30箇所のモデルルームを見ておくべきですよ。その間に品物を見る目が養われます。」

彼は、この国でもっとも優れたブランドと言われる不動産会社の課長でした。

30箇所も見て回れば、怪しい物件や、いい加減な物件を見抜く目が養われ、やがてきちんと設計施工した自社物件に顧客は舞い戻ってくるはずだという彼なりの自信と信念があったのでしょう。

中古物件と新築モデルルームをあわせて、合計29件の見学を行いました。

あの課長のアドバイスに1件足りない段階で、私の意志は決定しました。
結果的に購入したのは、あの課長の不動産会社が鉄道会社とジョイントベンチャー(共同事業)で作った新築マンションでした。
知人はもう2年前に年満退職し子会社の社長をしていますので、彼の企画設計物件ではありえません。

その結果がよかったか悪かったかは、意見の分かれるところでしょうが、2ヶ月間に29件も足を使って見歩き、その上て決定した「一生のお買い物」ですから、私自身の内面ではいささかも悔いがありませんし、今後もないことでしょう。

「自ら納得する選択をする。」

それがあの課長が教えてくれた「大事なこと」だったのではないかと思っています。

私は田舎に小さな持ち家を持っていて、会社命令の転勤ゆえに…という「特例貸与」とはいえ、60歳まで会社の社宅を貸していただいたことに厚く感謝をしています。

「何よりも従業員の福利厚生を大事に考える。」

いまどきそんな悠長な考え方の企業は少ないと思います。

稀有な会社に長く勤められたことに幸福を感じつつ、引越し準備のダンボールが積み上げられた和室の中で再び奥州街道歩きの記事を執筆いたします。

ゴールの三厩(みんまや、みまや)宿へたどり着くまで……!


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