伊藤博文別邸～萩の吉田松陰（9） [萩の吉田松陰]
SH3B0027萩市内
SH3B0028初代内閣総理大臣
SH3B0029伊藤博文別邸
SH3B0030同上説明板『最近の説では、長州藩邸に戻っていた吉田（稔麿）が脱出者から異変を聞き、池田屋に向かおうとするも加賀藩邸前で会津藩兵多数に遭遇し討ち死にした、とされている。後年、松下村塾の同門生で後の明治の元勲にもなった品川弥二郎（子爵）が「稔麿が生きていたら総理大臣になっただろう」と語ったとされる。』（吉田稔麿（Wikipedia）より）
結果的に初代総理大臣になったのが、周防・熊毛出身の伊藤俊輔であった。
彼の生家にほど近い場所にあった会社の独身寮で、私は若い頃数年間暮らしたことがある。
その付近では、伊藤は「おらが町の総理大臣」である。
『周防国熊毛郡束荷村字野尻の百姓・林十蔵（後に重蔵）の長男として生まれる。母は秋山長左衛門の長女・琴子。
家が貧しかったため12歳ごろから奉公に出されたという。
父・十蔵が長州藩の蔵元付中間水井武兵衛の養子となり、武兵衛が安政元年（1854年）に周防国佐波郡相畑村の足軽・伊藤弥右衛門の養子となって、伊藤直右衛門と改名したため、十蔵、博文父子も足軽となった。
松下村塾入門
安政4年（1857年）2月、江戸湾警備のため相模国に派遣されていたとき、上司として赴任してきた来原良蔵と出会い、その紹介で吉田松陰の松下村塾に入門する。
伊藤は身分が低いため、塾外で立ち聞きしていたという。
松蔭が安政の大獄で斬首された際、桂小五郎の手附として江戸詰めしていた伊藤は、師の遺骸をひきとることになる。
その後、同門の久坂玄瑞、高杉晋作、桂小五郎、井上聞多らと倒幕運動に加わる。
文久2年（1862年）には公武合体論を主張する長井雅楽の暗殺を画策し、品川御殿山のイギリス公使館焼き討ちに参加し、山尾庸三とともに塙次郎・加藤甲次郎を暗殺するなど、尊王攘夷の志士として活動した。』
塙次郎・加藤甲次郎暗殺の下手人として、長州ファイブの一人、山尾庸三の名が出ている。
塙次郎は幕末の国学者で、塙保己一の四男で、本名を塙 忠宝（はなわ ただとみ）という。
『文久2年（1862年）、老中安藤信正の命で、「幕府が外国人を遇した例」を調査するも、誤って「廃帝の典故」について調査していると伝えられ、勤皇浪士達を刺激。
12月21日、塙は和歌の会から帰宅したところ、住居兼和学講談所の前で知人の加藤甲次郎と共に何者かに襲撃され、翌日死亡した。
暗殺者は伊藤博文と山尾庸三の2人であったと、大正10年（1921年、なお、伊藤は1909年、山尾は1917年に逝去している）にあった六十年祭の折に渋沢栄一が発表している。
イギリス公使館焼き討ちなどは高杉晋作の策動で、晋作自ら敷地内に侵入し火を点けている。
山尾庸三は後に明治の工部卿になっており、わが国の「工業の父」と呼ばれている。マッチなどの化学反応に基づく発火手法について、得意な技を西洋で学んで身に着けていたのかも知れない。
この家屋はもう一人の暗殺者である伊藤博文の住居で、東京にあったものを萩市へ移築したものである。
説明板を抜粋する。
『初代内閣総理大臣 伊藤博文別邸
別邸は、日本で最初の総理大臣・伊藤博文が明治40年（1907）に東京都品川区大井に建てたものをこの地に移築し、平成13年（2001）から公開しています。
別邸内には、天皇から下賜された灯篭や杉の一枚板で作られた鏡天井などがあります。
また、多数の写真で伊藤博文の生涯を知ることができます。
入館料100円 開館時間 午前9時～午後5時』（抜粋終わり）
『奈良の樹齢1000年の吉野杉の一枚板を使った切れ目がない大広間の鏡天井、離れ座敷の節天井、和風のシャンデリアなどぜいたくな内装が印象的！！
江戸時代に下級武士である中間の身分の子どもであった博文が、明治時代に初代の総理大臣までに昇りつめた立身出世物語を、隣り合う旧宅と別邸は語っているようです。』
（「萩市指定史跡 伊藤博文旧宅 & 伊藤博文別邸」より）
http://www.iwasaki.co.jp/info_lib/eye/27_hagi/02.html
出世前と出世後の住居を並べて「出世」を目で見てもらう趣向のようだ。
別邸は出世後の住まいである。
2011-01-01 21:48
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