切支丹と妙心寺の縁~奥州街道(4-204) [奥州街道日記]

TS393436.jpgTS393436 「大慈山祥雲寺」の駐車場 
TS393438.jpgTS393438 岩手は新沼謙治の
TS393439.jpgTS393439 「一関運動公園は左へ」の標識

祥雲寺(Wikipedia)の記事によれば、その名の寺は全国に存在している。
曹洞宗と臨済宗が混在しているのが興味深い。

『祥雲寺(しょううんじ)

岩手県一関市にある臨済宗の寺院。大慈山祥雲寺。 - 祥雲寺 (一関市)
栃木県宇都宮市にある曹洞宗の寺院。戸祭山祥雲寺。 - 祥雲寺 (宇都宮市)
東京都豊島区池袋要町にある曹洞宗の寺院。瑞鳳山祥雲寺。 - 祥雲寺 (豊島区)
東京都渋谷区広尾にある臨済宗の寺院。瑞泉山祥雲寺。 - 祥雲寺 (渋谷区)
山口県周南市にある曹洞宗の寺院。瑞龍山祥雲寺。 - 祥雲寺 (周南市)
山口県岩国市にあった臨済宗の寺院。宝山祥雲寺。 - 祥雲寺 (岩国市)
沖縄県宮古島市にある寺院。 - 祥雲寺 (宮古島市) 』(祥雲寺(Wikipedia)より)

沖縄だけは宗派の記載がないのも面白い。

ここ一関市にあるのは、臨済宗妙心寺派「大慈山・祥雲寺」である。

妙心寺派と聞くとキリシタンのことを思い出す。
京都の本山妙心寺である。

キリシタン大名牧村利貞の実の弟が雑華院という塔頭(たっちゅう)の住職を勤めていた。

『塔頭(たっちゅう)は、本来、禅寺で、祖師や大寺・名刹の高僧の死後、その弟子が師の徳を慕って、塔(祖師や高僧の墓塔)の頭(ほとり)、または、その敷地内に建てた小院である。』(「 塔頭(Wikipedia)」より)

牧村は朝鮮戦争の帰路病死し、その遺児お奈(おなあ)は前田利家の養女となって加賀へ渡る。
お奈の弟は不審な暗殺死を遂げている。

将軍家光の禅の講師役として大奥に上がったお奈だったが、女中たちに「お奈さんの教えは切支丹の教えだ。」と将軍へ讒言される。

あわてたお奈は、京都の本山妙心寺の雑華院へ駆け込み頭を丸める。
得度を受けて臨済宗の尼となり、祖心尼を名乗り、再び大奥へ復帰を果たしている。

戦国時代、鉄砲と火薬欲しさに織田信長が京都でイエズス会にキリスト教の布教を許し、南蛮寺が建てられた。
のち豊臣秀吉により切支丹は迫害を受け、南蛮寺も廃止された。

秀吉の時代には鉄砲の国産化が本格的になっていて、ポルトガルへの依存度が下がったのではないか。
それでも火薬だけは硝石がないため国産化できず、外国商人から買わなければならなかった。

ポルトガルで鋳込まれた南蛮寺のその「梵鐘」は、京都の本山妙心寺境内に保管されている。
普通なら異教の寺にあった鐘は鋳潰すはずだが、京都に残すという「心」が妙心寺にあったことが興味深い。

だから私は『妙心寺」と聞くと、すぐに切支丹のことを思い出す。

一関の「大慈山・祥雲寺」は臨済宗妙心寺派であるが、だから切支丹だというつもりはない。
本山には信長の時代の切支丹南蛮寺との縁があるという話である。

秀吉の時代から迫害を受けた切支丹であったが、宣教師たちが表面上は京都を去るにあたって、おなじ宗教法人として
暖かく引き取ってあげたということも考えられる。

上に抜粋した祥雲寺(Wikipedia)の記事を見ると、「祥雲寺」という名前の寺が二つあるところは、きれいに宗派が臨済宗と曹洞宗に分かれていることがわかる。東京都と山口県である。

山口は、ザビエルが日本上陸してから周防の大名大内義孝の許しを得て、初めて大々的に布教したところである。
ただ山口市には祥雲寺がなく、瀬戸内海に面した岩国(東)と周南(西)にあるのが特徴的である。

東京では豊島区と渋谷区という若者が集積する町に置いてあるのが興味深い。
案外、お年よりも多い町なのだろうか。

一関の祥雲寺は見ていないが、その駐車場の前を通過する。

街道傍の車庫の壁に歌謡ショーのポスターが貼ってある。
岩手は新沼謙治のふるさとであるから、彼が大きく描かれている。

「一関運動公園は左」の標識が見えた。
日が暮れかけていたら、私は左へ行っただろう。
大体そこには広い芝生があり、テントを張るには好適地であるからだ。

しかし、まだ空は明るい。

このまま一関市街を通過していこう。
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StepEmeva

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