肘(ひじ)曲がり坂~奥州街道(4-188) [奥州街道日記]

TS393364.jpgTS393364これが奥州街道の古道
TS393367.jpgTS393367草に埋もれてしまった地面
TS393369.jpgTS393369雑草の繁栄

意を決して、「奥州街道 肘(ひじ)曲がり坂」の案内板のところから左に折れ、林道から外れた。

道が殆どないような草の土手へと這い上がり更に深い森の中へ入る。
旧街道はあたかも熊笹の中を分け入るが如しである。

案内板には「磐井郡鬼死骸村を通り田村氏の城下町一関に至る」と書いてあった。
鬼の死骸に満ちているような名前の村を通るようだ。

命名したのは、この地域を侵略し植民地化に成功した大和族である。
恐ろしい名前をつけるのは、この地域の蝦夷(えみし)と呼ばれたアイヌ人部族が武力にとても優れていた証(あかし)である。

倭人には「言霊(ことだま)信仰」があるという。
井沢元彦著「逆説の日本史」で知った。

「もし核戦争が起ったらどう防衛するか?」という議論を国会で行うことを日本人は嫌う。
「もし甲子園大会で1回戦で負けたときは、どうするのですか?」

不幸な出来事を「言葉」にして口に出すと、その言葉自体霊力を持ってしまいそれが実現してしまうという信仰である。

「おばけ村」と名づければ、そこにはお化けがいるということになる。
「鬼死骸村」と名づければ、そこには鬼、つまり蝦夷の死骸があることになる。

おそらく侵略者たちはアイヌ一族を皆殺しにしてその村に埋めたのであろう。
恐ろしい名の村には倭人たちは近づかない。
よって、再び有壁の地がアイヌ族の酋長が栄える村にはならないという祈りが込められているのだろう。

杉林の中をとおり、そこを抜けると道路は草に埋もれていた。
地面がむき出しになっていないのは、人間が歩かないからである。
お陰で道路の雑草は目一杯繁栄している。
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